通勤中のイヤホンや自宅のスピーカーで音楽を聴いていると、「もっと良い音で聴けるはずなのに」と感じることがあります。とくにAmazon Musicの音質まわりは、プラン名やHD・Ultra HDといった用語が多く、どこから見直せばよいか分かりにくい部分です。この記事ではまず、音質レベルと各プランの関係を整理し、そのうえでスマホアプリとPCの具体的な設定方法、音質が悪いときの原因チェック、ギガとストレージのバランスの取り方まで順番に解説していきます。

Amazon Musicの音質を徹底解説

Amazon Musicの音質レベルとプランの違い

Amazon Musicの音質は「標準(SD)」「HD」「Ultra HD」の3段階が基本です。これに加えて、Dolby Atmosや360 Reality Audioなどの空間オーディオ対応トラックも提供されています。これらはビットレートやサンプリングレート、対応曲数がそれぞれ異なりますので、まずは全体像を表で見てみましょう。

Amazon Musicの音質レベル(標準・HD・Ultra HD・空間オーディオ)

音質レベル別の主な仕様
音質レベル 主な仕様 最大ビットレート 曲数目安
標準(SD) 約320kbps圧縮(ロッシー) 約320kbps ほぼ全曲
HD 16bit/44.1kHzロスレス 約850kbps 1億曲以上
Ultra HD 24bit/96–192kHzハイレゾロスレス 約3730kbps 数百万曲規模
空間オーディオ Dolby Atmos等の立体音響対応 曲により異なる 対応曲が増加中

※「標準」は多くのサブスクと同等、「HD」はCD相当、「Ultra HD」はハイレゾ相当の高音質です。

プラン別に見た音質と機能の違い

プランごとの最大音質・機能比較
プラン 最大音質 空間オーディオ オフライン再生
Prime / Free 標準(SD)   △(Prime一部のみ)
Unlimited Ultra HD    

※HDやUltra HD、空間オーディオなど高音質機能を使いたい場合は、Amazon Music Unlimitedが必須で、PrimeやFreeは標準音質のみ対応です。

スマホアプリでAmazon Musicの音質を最適化する

さきほど整理した音質レベルとプランの違いを踏まえて、ここではスマホアプリ側の設定を見直していきます。この部分をきちんと整えると、同じプランでも体感の音質がかなり変わります。

ストリーミング音質とダウンロード音質の基本設定(iPhone/Android共通)

音質レベルやプランの違いをふまえて、アプリの設定を見直すだけで、同じプランでも体感音質は大きく変わります。

Step1
Amazon Musicアプリ右上の歯車アイコンから[設定]を開きます。
Step2
[ストリーミング設定]で「Wi-Fi」「モバイルデータ」ごとに音質を選択。( 自宅Wi-Fi:HD/自動、モバイル:標準〜データ通信節約)
Step3
[ダウンロード設定]で「最高音質(HD/Ultra HD)」「標準」などから選びます。
Step4
ラウドネス・ノーマライゼーション(曲ごとの音量差を調整)も好みでオン/オフ。

Amazon Musicの音質

通勤・自宅・外出先などシーン別のおすすめ設定

通勤・自宅・外出先などシーン別のおすすめ設定
シーン ストリーミングの目安 ダウンロードの目安 その他設定のポイント
通勤・通学(モバイル) Wi-Fi:自動/HDモバイル:標準〜データ通信節約 よく聴くプレイリストだけ標準 [Wi-Fi接続時のみダウンロードする]ON
自宅Wi-Fi+スピーカー等 Wi-Fi:HD/Ultra HDモバイル:標準 好きなアルバムは最高音質 ラウドネス・ノーマライゼーションON
カフェ・外出先Wi-Fi Wi-Fi:自動/HDモバイル:データ通信節約 必要な分だけ標準〜容量節約 バッテリー節約を優先して画面常時ONを避ける

PCでAmazon Musicを高音質で聴くための設定

スマホの設定が整ったら、次はPC側を見直します。デスクトップアプリと再生デバイスを合わせておくと、HDやUltra HDのメリットを活かしやすくなります。

デスクトップアプリでHD/Ultra HDを有効にする

Step1
Amazon Musicデスクトップアプリを起動します。
Step2
右上のプロフィールアイコンから[設定]を開きます。
Step3
[再生]またはそれに相当する項目で、「音質」設定を「最高」や「Best available」にします。

Amazon Music 音質

HDやUltra HD対応曲を再生すると、画面に「HD」「Ultra HD」バッジが表示されます。クリックすると最大・現在の音質が確認できます。バッジが「SD」のままなら、Unlimitedプランや音質設定を見直しましょう。

排他モードと外部DACで本来の音を引き出す

排他モードは、Amazon Musicアプリだけがオーディオデバイスを占有する機能です。OSのミキサーやほかのアプリを経由しないぶん、ノイズや歪みが出にくくなり、システム音が紛れ込むことも防ぎやすくなります。

メリット
  • 再生経路がシンプルになり、不要な処理が減る
  • 通知音などが混ざりにくい
デメリット
  • 有効中は他アプリの音が出ない
  • S側の音量スライダーが効きにくい
 

利用するときは、

Step1
デスクトップアプリの[設定]→[再生]で排他モード相当の項目をオンにする
Step2
再生デバイスに外部DACやUSBオーディオインターフェースを選ぶ
Step3
OSのサウンド設定でも同じデバイスを選んでおく

という3ステップで十分です。

外部DACは「24bit/96kHz以上」対応か要確認です。未対応だとUltra HDの音質が十分に出ません。排他モードやDACの有無で音の変化を自分の環境で比べてみましょう。

「音質が悪い」「HDにならない」と感じたときのチェックリスト

Amazon Musicの音質トラブル時に確認したいポイント
チェック項目 主な確認ポイント ワンポイント
プラン・アカウント UnlimitedならHD/Ultra HD可、Prime/Freeは標準音質まで まず自分のプランを一度確認する
アプリ音質設定 ストリーミング/ダウンロードの音質が「自動/HD/最高」か 「節約」設定だと実質SD音質になりがち
曲の対応状況 再生画面のバッジ表示(SD/HD/Ultra HD) 古い楽曲などはHD非対応の場合もある
通信環境 回線が安定しているか、速度制限中や混雑時間帯でないか モバイル回線では自動で音質が下がることがある
デバイス・接続 有線・Bluetooth・外部DACの対応スペック まず有線接続で差を確認すると分かりやすい
アプリ・端末の状態 再起動/キャッシュ削除/再インストール 改善しなければ端末の再起動も試してみる

上から順にチェックしていくと、「プラン・設定の問題なのか」「回線やデバイスの問題なのか」「アプリや端末の一時的な不調なのか」を切り分けやすくなります。

ギガとストレージを抑えつつAmazon Musicの音質を保つコツ

音質ごとの通信量目安
音質設定 1時間あたり通信量 10GBで聴ける曲数(5分/曲)
データ容量節約 約53MB 約1,880曲
標準 約66MB 約1,515曲
HD 約114MB 約877曲
Ultra HD 約258MB 約388曲

外出時は音質を「標準」や「データ通信節約」に設定し、よく聴く曲だけをWi-Fi環境で事前にダウンロードするとギガ節約に役立ちます。自宅Wi-FiではHD/Ultra HDも試せますが、ストレージの空き容量に注意し、お気に入りだけ高音質で保存しましょう。車や長距離移動では、必ずプレイリストを事前ダウンロードしておくと安心です。Bluetooth再生なら標準音質でも十分な場合が多いです。

ストリーミングだけでは物足りないと感じたときの選択肢

ここまでプランや音質設定、ギガとストレージのバランスを整理してきましたが、「通信に左右されたくない」「お気に入りはもっと自由に聴きたい」と感じる方もいるでしょう。

そんなときは、PCでオフライン再生環境を整えるのも一つの方法です。たとえば「MusicFab Amazon Music 変換ソフト」を使えば、Amazon Musicの曲をPCにダウンロードし、対応するプレーヤーやスピーカーで好きなように再生できます。

MusicFab Amazon Music 変換ソフトを使ってみよう

MusicFab Amazon Music 変換ソフト
  • 地域や Amazon Music Free、Prime、Unlimited に関係なく、数秒で楽曲をダウンロード可能
  • Amazon Prime Music の楽曲を MP3、FLAC、M4A、WAV、Atmos 形式でロスレス変換可能
  • Amaoznミュージックのプレイリストやアルバムを一括ダウンロード
  • 内蔵 Web プレーヤーを使用して、簡単に Amazon Prime Music の楽曲を MP3 形式でダウンロード可能
  • 広告なしで Amazon Music の楽曲をダウンロードし、あらゆるデバイスでオフライン再生可能
  • 歌詞を .lrc ファイルとして保存し、ID3 タグも取得可能

Amazon Musicアプリの設定だけでも多くのシーンに対応できますが、「自宅では高音質でじっくり聴きたい」「もっと自由に再生環境を選びたい」という場合は、PC向けツールを組み合わせるのもおすすめです。

使い方のイメージは次のような3ステップです。

Step1
PCにMusicFab Amazon Music 変換ソフトをインストールし、起動します。
Step2
ソフト内でAmazon Musicアカウントにサインインし、保存したいプレイリストやアルバムを選びます。
Step3
出力形式や音質を選んで変換を実行し、指定したフォルダに保存します。

amazon music オフライン再生5

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Amazon Musicをはじめとする音楽配信サービスのコンテンツは、各権利者の著作権で保護されています。本記事で紹介するソフトや方法は、必ず私的利用の範囲内でご利用ください。保存・変換した音源の公開や第三者への配布、営利利用は、著作権やサービスの利用規約に違反するおそれがありますのでご遠慮ください。

Amazon Musicの音質に関するよくある質問

Q

設定を全部見る時間がないとき、「これだけはチェックしたほうがいい」という項目は?

最低限見るなら、①プランがUnlimitedかどうか、②アプリの音質設定(ストリーミング/ダウンロード)が「自動」または「HD/最高」になっているか、③再生画面のバッジがSDではなくHD/Ultra HDになっているか、の3つです。この3点がそろっていれば、「本来出せる音質はほぼ出ている」と考えて大きな間違いはありません。

A
Q

ギガをあまり使いたくない場合、どの音質設定にしておくのが現実的ですか?

モバイル回線は「標準」か「データ通信節約」、Wi-Fiは「自動」か「HD」にしておくのが無難です。長時間聴くプレイリストだけ事前に標準音質でダウンロードしておけば、月5〜20GBクラスのプランでも極端にギガ不足になりにくくなります。

A
Q

HD/Ultra HD の違いを体感しやすい聴き方はありますか?

自宅の静かな環境で、カナル型イヤホンかオーバーイヤーヘッドホンを使い、同じ曲を「標準 → HD → Ultra HD」の順に数十秒ずつ切り替えて聴く方法が分かりやすいです。ボーカルの輪郭や余韻、シンバルの粒立ちなどが滑らかに聴こえるかを意識すると、差を感じやすくなります。

A
Q

家族とアカウントを共有しているとき、音質設定はどう分けるのがおすすめですか?

まずはアカウント全体の上限を「自動/HD」にしておきつつ、各端末では「ストリーミング:標準」「ダウンロード:標準〜容量節約」あたりに揃えておくと無難です。家族のうち音質重視の人だけ、自分の端末でHD/Ultra HDと高音質ダウンロードを使うようにすると、ギガとストレージのトラブルを減らしやすくなります。

A

まとめ

Amazon Musicは、プランごとに使える音質(標準/HD/Ultra HD)を確認し、シーン別にWi-Fiとモバイルの設定を分けるのがポイントです。通勤などは標準+事前ダウンロード、自宅は高音質、と使い分けましょう。PCや専用ソフトを使えば、さらに自由度の高い高音質再生も可能です。アプリ全体の操作や基本機能については、別記事の「Amazon Musicの使い方」もあわせて参考にしてみてください。